2007年02月12日

早春の照葉樹林

坂元守雄(2007年 02月 12日)


 2月のこの時季、綾の森は全体的には濃い緑色に沈んでいるように見える。ただ陽の向きによってそれらは変化する。逆光で見ると、陽をうける高木は照葉樹特有のきらきらと輝く光を放つので、影の部分は濃緑に、光る部分は灰白色に見える。午後の陽が傾きかける頃が、森は最も強く光り輝く。しかも1年のうちでこの時季が最も照葉樹らしく森を光らせる。

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 綾の森で人の干渉がほとんど及んでいない場所がある。と言っても原生林ではない。綾南川と綾北川は大森岳周辺の10kmほどは連続したV字谷を形成している。V字谷の最下部、川に接する部分はほとんど人の手が入っていない。V字谷の斜度は40度〜60度といわれているので、この部分の斜度はどこでも60度前後であろう。その険しい斜面で樹齢200年を超えると思われる大木を見ることがあるが、それは極めて珍しい。ほとんどの樹木は樹齢が若く、それに、照葉樹のなかに落葉樹がよく目に付く。つまり、照葉樹林としては未成熟の森である。

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 写真の場所は、綾南川の南面の谷で、谷川からほぼ垂直に崖が立ち上がっている。樹木は他の場所では見られない鮮やかな緑色を見せている。クスノキの群落のように見受けられる。その間に落葉樹が進出しているが、多分、ニレ科のムクノキかエノキもしくはハルニレであろう。すでに若葉の萼を赤く色づかせている。ここは人の干渉はないものの、風雨のほかに上部からの土砂崩落に始終見舞われる自然条件の最も厳しい場所であることがわかる。そんな場所でやむなく世代更新をしながらも、照葉樹の常緑広葉樹も照葉樹の隙間に進出した落葉広葉樹も、悪条件に耐えながらそれぞれの存在を誇示しながら生きていて、早春の森のドラマを見せているように思われる。
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2007年02月05日

春の訪れ

木佐貫 篤(2007年 02月 05日)


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 昨日は立春。日中は3月なみの陽気まで気温が上昇したらしく、暖かな一日でした。

 庭掃除をしながら、こならの落葉を片付けていたら、ミツバツツジが花を咲かせているのに気付きました。このミツバツツジはこなら亭で春一番最初に花をつけるツツジです。毎年2月頃のまだ寒い時期から花が咲き始めます。

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 暖かな庭のつくばいには、様々な野鳥達が交代で水浴び・水飲みに来ていました。ジョウビタキ、ツグミ、モズ、シロハラ、キジバト。彼らにとってもほっとする暖かさだったことでしょう。
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2007年01月17日

こなら亭は鳥天国

木佐貫 篤(2007年 01月 17日)


 鳥インフルエンザ騒動のさなかの休日、天気がよく穏やかだったからでしょうか、こなら亭にはたくさんの野鳥がやって来ました。ジョウビタキ(オス、メス)、ヒヨドリ、シロハラ、メジロ、コゲラ。

 前回、メジロが少ないと書きましたが、この日は6-7羽のメジロがまとまってやってきて椿の蜜を吸ったり水浴びしたりしていました。やはり群れでやってくるとほっとしますね。

 そして珍客コゲラもやって来ました。自分が見たのは本当に10年ぶりくらい(ほとんど家にいないせい?)。コナラに止まり移動しながら幹をつついていました。

 少なくとも彼らは皆元気そう。ほっとしました。
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2006年12月30日

久しぶりのメジロ

木佐貫 篤(2006年 12月 30日)


 御用納めが終わる頃、こなら亭の庭には大量の落葉樹が落ちてきますので、庭掃除をせねばなりません。庭のあちこちを掃除しながらコソコソとしている間にも、鳥たちがつくばいにやってきて水を飲んだり水浴びをしたりします。

 今日は久しぶりにジョウビタキ(メス)を見かけました。じっとみていたらすぐそばに同じくらいに小さな鳥が。ジョウビタキは縄張りを持っているので『?』とおもったらなんとメジロでした。よく考えればこの1-2年メジロが庭に来ていません。話によるとほかでも見かけないらしく、メジロの生態に変化があったのかと心配していました。

 以前メジロは集団で水浴びとかに来ていたような記憶がありますが、今日は一羽だけ。やはりメジロに何かがおこったのでしょうね。心配です。
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2006年12月19日

森づくりの不思議

坂元守雄(2006年 12月 19日)


 1996年の3月、市民団体「水源の森づくりをすすめる市民の会」が大淀川の支川、境川の沿川の国有林1ヘクタールに広葉樹を5種、2000本を植樹してから10年が過ぎた。スギ林の伐採跡地に植樹して1年後、植樹地にはほかの樹木がたくさん芽を出してみんなを驚かせた。毎年2回の草刈りのとき、それらは除伐の対象になるはずだったが、会ではそれらも植樹木とともに育てることにした。植樹後3年になると自生木の方が威勢がよく、そのほとんどは植樹木の背丈を超えて成長した。植樹地には植樹した5種のほかに一体何種類の樹木が成長しているのか。植樹して4年後の2000年7月、植物の専門家に調べてもらった。その結果、常緑樹26種、落葉樹21種が確認された。そのとき、植樹木の高さはおしなべて2メートル程度であったが、自生木は高いもので4.7メートルあった。なによりみんなが不思議に思ったことは、50年近い時間を経たスギ林の跡地になぜこのようにたくさんの樹木が自生するのか、その種はどこからきたのか、ということであった。

 植樹してから10年が経過し、植樹地の樹木は高木類は高さ10メートルを越して、りっぱな森を形成している。くぼ地には水がしみだして流れができた。流れには生物が棲みついている。12月の初旬、自生木を調べてからすでに6年が過ぎているので、その後の植樹地の樹木を調べてみようと、専門家とともに森に入り樹木を確認して回った。その結果は、常緑樹30種、落葉樹30種であった。そのうち常緑高木は22種、落葉高木は17種であった。森や森の樹木は、人がおしはかることのできない変化を見せながら成長し、森に向き合う人をひきつけてやまない。

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2006年12月11日

紅葉

木佐貫 篤(2006年 12月 11日)


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 12月となると落葉樹の多いこなら亭でも紅葉が見られます。とはいえ短い秋の宮崎のせいか、きれいな紅葉を見ることはあまりありません。今年も秋の少雨と暖かさのためでしょうか、多くの葉は紅葉せずに枯れた感じで落ちつつあります。

 そんななか、毎年きれいな紅葉をみせてくれるイロハモミジ。自宅入口に植えてありますが、様々な赤色に染まっている様が本当に晩秋を感じさせてくれます。

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 このモミジ、実は約15年くらい前に町営国民宿舎「青井岳荘」から持ち帰ったものなのです。

 青井岳荘の川沿いにモミジ並木がありますが、盛夏にいきますと地面にたくさんの双葉から3つ葉程度のかわいらしいモミジがでています。それを持ち帰って鉢に植えていたものです。

 約10年前に自宅庭を造った時に移植してからぐんぐんと大きくなって今では約4mくらいの高さになりました。苗木レベルから育てた木のひとつなので愛着もひとしおです。
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2006年11月29日

礫浜(れきはま)と海岸林

林裕美子(2006年 11月 29日)


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 大きな河川が海へ注ぐ区域には浜があります。宮崎市付近では、それが細かい砂だけでできる砂浜です。少し北の高鍋町まで行くと、砂に、子供のこぶし大の小石が混じるようになります。その北の川南町になると、また砂浜になりますが、さらに北の都農町に入ると、直径が10cm、20cmもある石ばかりの浜になります。礫浜です。礫の下は砂なので、干潮のときの波打ち際には砂浜が広がるところもあります。川南町の平田(へだ)川から日向市の耳川にかけての礫浜を歩いてきました。歩きにくいこと、このうえもないのですが、砂浜とは違う海岸の様子を見ることができました。

 満潮時になると、波は、何千、何万個とある石を洗います。波が引いていくときに石が少し動きます。このときに、石がぶつかり合う音が出るのですが、無数の「コツン」という音が同時に湧き起こり、独特の礫浜の音が聞こえます。大きな打ち上げ花火が空で広がる時の音を間近で聞いたことがありますか?ドン!という最初の広がりのあとに、たくさんの小さな花火が周りではじける趣向のものがあります。そのたくさんの小さな花火がはじけるときに、「バッバッバッバ.......」という連続した破裂音が聞こえます。礫浜の音は、このときの音に似ていました。

 石ばかりがごろごろしている浜でも、植物は浜の丘を広げるべく、日夜奮闘してます。上の写真で石の上を這っているのはハマゴウです。都農の海岸では、ハマゴウだけでなく、ハマヒルガオ、ハマエンドウなどが礫の表面を覆っているのをあちらこちらで見ました。マサキやツルヨシといった植物も、茎や地下茎を一直線に浜に向かって伸ばしていました。波が高いときには海水をかぶり、強い風が吹けば、せっかく伸ばした地下茎から地上に出る茎も倒されるかもしれません。でも、そんなことへっちゃら!と言っているような勢いでした。

 そして、この元気いっぱいの海岸植物の背後には、黒々と照葉樹の海岸林が広がります。海岸林というと、人が営々と植えてきた松林を思い浮かべる人も多いと思いますが、都農町の海岸は、照葉樹の自然林です。海岸際では、ハマヒサカキ、マサキなどの背が低い木が目につきました。少し陸側に入ると、シャリンバイ、マテバシイなどがあります。リニアモーターカーの実験線の高架が海岸に沿ってありますが、海岸林の高さは、この高架を超えるほどになっています。

 このように、すばらしい自然の海岸環境ですが、至るところにコンクリートの護岸がありました。昨年2005年10月4日に、一度浜を見に行ったことがあります。9月の台風のためか、礫浜に生えているはずの植物は見当たらず、その陸側の照葉樹の木々が無残に枯れた幹をさらしていました。

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 気になっていたので、今年の夏にもまた、同じところを見に行きました。枯れた木々はそのままでしたが、近寄ってよく見ると、木々の根元には、さまざまな海岸植物が競うように育っていました。ハマボッス、ツワブキ、などが目立ちました。そして浜の方へ向かって茎を伸ばし始めたハマヒルガオが、植物最前線でピンクの花を咲かせていました。

 残念なことに、植物が枯れた一部の区域には、すでに真新しい傾斜護岸が建設され、それを護るために、海の中には消波ブロックの列が築かれていました。下の写真は、上の写真と同じ場所を2006年7月20日に撮影したものです。植物が浜を修復するのを、もう少し待ってほしかったと思いました。

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尾鈴山瀑布群

坂元守雄(2006年 11月 29日)


 1944年(昭和19)に国の名勝に指定された「尾鈴山瀑布群」は、名貫川の上流にあたる尾鈴山の3つの谷、矢研(やとぎ)谷、甘茶(あまちゃ)谷、欅(けやき)谷に架かる30余の滝をいう。そのうち、矢研谷の「矢研の滝」は高さ73m、水量豊富な名瀑で、1990年に「日本の滝100選」に選ばれた。欅谷の名瀑、白滝(高さ75m)までの間には大小10数条の滝があり、滝めぐりの白滝コースとして親しまれている。甘茶谷は尾鈴山登山道に沿った谷で、小滝が多いが渓流や淵の美しさがとくに目を引く渓谷である。

 尾鈴山はかつて植生が豊かで植物の宝庫といわれたが、現在、中腹は大規模に伐採され、山頂部と瀑布群周辺だけがかろうじて伐採を免れ、深山の名残をとどめている。滝めぐりコースでは、照葉樹の中に落葉広葉樹が混じり渓谷の眺めをより美しく見せているのが印象的である。

 11月の中旬、連れ立って矢研の滝まで行った。矢研の滝へはキャンプ場から遊歩道を30分ばかりで行ける。渓谷を見下ろす曲がりくねった崖の道が滝まで続く。途中の小滝や変化する渓流を眺めながらゆっくり歩く。ここの特徴は、渓谷や遊歩道周辺の照葉樹林と点在する落葉樹の植生が歩道を曲がるたびにさまざまに変わり興味をそそることであろう。狭い空から差し込む日差しに谷や樹木が変化しながら光るのにも目を奪われる。歩道を少し下ると正面に矢研の滝が立ちはだかるように見える。高さにも幅にも水量にもびっくりするような大きさで立派な滝である。キャンプ場では盛りの紅葉が見られたが、滝の周辺では紅葉はなくカエデもまだ青々としていて秋の滝風景は後しばらくかかりそうだ。

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2006年11月28日

秋といえば・・・

木佐貫 冬星(2006年 11月 28日)


 秋といえば、松茸、栗などの食べ物を連想される方も多いでしょうが、こなら亭ではドングリがなっています。

 こなら亭のドングリは小楢とシイ、カシの3種類です。

 秋の終わり、ちょうどこの頃になるとドングリは一斉に落ち始めてきます。夏の始めにはドングリは緑色のほんの小さな粒でした。夏が過ぎて秋に入るとドングリは次第に茶色く色づきはじめます。そして春になると落ちたドングリが一斉に双葉を出します。

 この時期、みなさんもドングリについて考えてみてはいかがでしょうか。
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2006年11月24日

冬の鳥

木佐貫ひとみ(2006年 11月 24日)


 待望の、まとまった雨がようやく降りました。今年は秋の長雨もなく記録的な小雨。こならの庭にも毎日のように水まきが必要な秋でした。

 この雨とともに、寒さがやってきました。庭に散らばるように生えているヤブコウジの実が赤く色づきはじめ、冬鳥がやってきました。

 秋のはじめ、モズが高い声で鳴いた後、ヒヨドリが姿を見せ始めると秋が深まり、ジョウビタキが現れると冬の始まり。そして、シロハラくんがかさこそと落ち葉を引っくり返しながら庭を歩きはじめると、本格的な冬の到来です。

 毎冬、毎日のように庭を歩き回っているシロハラ。もう10年欠かさず姿を見せてくれるのですが、同じ個体なのでしょうか。 冬になるとまるで家族のように毎日庭にいるので、うちでは“シロハラくん”と呼んで親しんでいます。

 今年は11月9日に一度だけ姿を見せてくれました。


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