2006年09月23日

宮崎県のコウヤマキ

坂元守雄(2006年 09月 23日)


 去る9月13日の新聞は、「6日に誕生した秋篠宮家の男子のお名前が「悠仁」に決まり、身の回りの品に付ける「お印」は、日本固有の常緑高木の「高野槙」に決定した。」と報じた。

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 コウヤマキは、全国の古墳からも出土するように、古代から重宝されてきたわが国原産の樹木である。尾根筋の特殊な場所に成育し、直立して高木になり、一年中、瑞々しい緑の葉を見せる。今では、コウヤマキ群落は国内でも少なくなり、「植物群落レッドデータブック」では、緊急に保護が必要な群落とされ、最上位にランクされている。
 そのコウヤマキは、宮崎県を南限としているが、九州他県では姿を消し、宮崎県の中央部山地にしか自生していない、きわめて希少な樹木となっている。宮崎県のコウヤマキは、尾鈴山系の矢筈岳にブナと共生する形で2000本を超す群落が1989年に確認され、県内最大の群落となっている。木城町の大瀬内山山系には、昭和30年代まで、照葉樹と共生して、「大瀬内谷のコウヤマキ群落」といわれた大規模な自生地があったと調査記録にあるが、伐採や開発で消失し、現在、数えられるほどの姿を尾根にとどめている。1999年に、九州電力が小丸川揚水発電所の上ダムを建設するにあたり、大瀬内谷のひと山を掘削し、コウヤマキ群落を消失させたことも記しておこう。西都市にはコウヤマキの巨樹が尾八重と三納にあり、尾八重の巨樹は高さ26m、幹回り570cm、三納の巨樹は高さ19m、幹回り410cmである。

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 コウヤマキは、九州では宮崎県にしか自生していない希少な木であり、宮崎県の木にしてもよいほどである。今回、悠仁親王の「お印」になったのを機に、宮崎県のコウヤマキが、価値のある大事な木であることを多くの人が知ってくださることを願っている。

posted by みやざきの自然 at 16:44| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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