2006年05月30日

高岡の広葉樹展示林

坂元守雄(2006年 05月 30日)


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 高岡の山下から林道を4キロほど入った去川国有林内に、九州森林管理局の森林技術センターが管理する技術開発試験地がある。

 技術開発試験地とはどのようなところかというと、シイ、カシ、タブ、クス、ケヤキなどの有用広葉樹の育成技術を確立し、実証データを収集して人工林の施行体系化を目的にしている展示造成林である。現在、約4ヘクタールの区域に47種、1万2千本が植栽されている。

 域内は各樹種が整然と植栽されており、その中に、メーンの路が最上部まで通じ、その道から幾筋もの進入路がつくられていて、どの樹種のところにでも行けるようになっている。最上部は広場になっており展望もよい。

 入口には門扉があるが、いつでも誰でも入ることができる。一番便利に思ったことは、樹種の名を、他の樹種との幹の違い、葉の違いを観察し比較しながら覚えることができることである。例えば、誰しも迷うことのある、シラカシとウラジロガシ、スダジイとコジイ、クヌギとコナラなど、ここでは葉を手にとって比較できるので違いは明らかにわかる。生きた植物図鑑である。大人も子供も楽しく樹木の学習ができる場所ではないか。

 道は、山下の集落から入れば標識もあり迷うことはない。沿道の谷川の眺めも気持ちを清浄にしてくれる。
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2006年05月26日

赤江浜の人工リーフ

(2006年 05月 26日)


 宮崎市の赤江浜は、清武川から北へ、宮崎空港の滑走路が海へ突出する部分までの4kmの浜です。地元の地名をとって松崎海岸とも呼ばれます。中央部2kmには傾斜護岸がありますが、その南北にはかろうじて砂浜があり、毎年夏にはアカウミガメが産卵のために上陸してきます。2005年夏には149回の上陸が確認されています(このうち産卵は86回)。

 ところが、一昨年の台風で砂浜が大きく浸食されました。災害復旧事業が行なわれることになり、昨年の秋から、南の1.5kmほどの区域に、浜と平行にコンクリートブロック製の人工リーフが建設されました(長さ50mと100mのものが合わせて13基)。

 「リーフ」というのは、サンゴ礁のことです。サンゴ礁は水面下にありますが、陸に打ち寄せる波の衝撃を和らげる効果があります。ところが、同じような効果のある人工構築物を海の中につくろうとすると、消波効果を出すためには幅100m以上もある構築物の帯を浜と平行につくらなければならないそうです。それでは災害復旧事業では手に負えないくらいの費用がかかるため、今回の構築物は、それほど費用をかけずに同程度の消波効果を持たせるよう、幅が狭いけれども水面下に沈まないものが砂浜に造られました。

 満潮時にだけ水面下に沈む設計ですので、砂浜を見渡しても目立つ構築物ではありませんが、近くへ寄ってみると、砂浜がなくなってしまったことがよくわかります。アカウミガメは、コンクリートの護岸のあるところでは産卵しようとしません。人工リーフを回り込んで砂浜を見つけてくれるといいのですが。子ガメが孵化するころにはコンクリートブロックが砂で埋もれてくれるといいのですが。

(写真は、以前は波打ち際だった場所に出来た人工リーフ。2006年4月21日干潮時撮影)

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2006年05月25日

ヒュウガアジサイ

木佐貫 篤(2006年 05月 25日)


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 梅雨といえばアジサイ(紫陽花)。今年5月は日照時間が短く、梅雨入りを思わせるような天気が続いている。そんななか、こなら亭のヒュウガアジサイが咲き出した。このアジサイは、植物学者として著名な南谷先生からいただいた苗である。

 このアジサイは、つねに水しぶきがかかるような沢沿いに育つという特徴がある。こなら亭では、常に水を欠かさないつくばいのそばに植えたところ、定着して少しずつ大きくなり、今年3年目にして初めて花が咲いた。

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2006年05月03日

ハマゴウ

林裕美子(2006年 05月 03日)


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 7月から9月にかけて、紫色の花が咲き、10月になると直系5mmほどの球形の黒い種をつける海岸植物です。昔はこの種を集めて、ソバ殻の代わりに枕に入れたそうです。葉も種もユーカリのような独特の芳香があります。古くはお香としても用いられたため「浜香」と名前がついたと言われています。

 東アジア原産ですが、1980年代半ばに、園芸装飾用および海岸の砂をつなぎとめる目的で、アメリカに持ち込まれました。1990年代半ばには、旺盛な繁殖力で固有の砂丘植物を駆逐し、東海岸ではウミガメの子ガメの孵化にも支障をきたすようになりました。サウスカロライナ州にはハマゴウ対策を考える組織があり(The South Carolina Beach Vitex Task Force)、駆除対策を模索するための活動を行なっています。一般市民には、パンフレットで以下のような呼びかけをしています。     http://www.beachvitex.org/

1.ハマゴウを庭木として植えないで下さい。当組織に連絡を下されば、庭木に適した自生植物のリストを差し上げます。
2.当組織が主催する「自生植物見分け方講座」にご参加ください。自生する植物とハマゴウとの見分け方を覚えてください。
3.ハマゴウを見かけたら当組織にお知らせください。自分で抜いて駆除しないで下さい。当組織では、ハマゴウがどこまで広がっているかを調べています。ハマゴウを見た場所をメモして、ご連絡ください。
4.ボランティア募集中!! 浜を見回り、ハマゴウ対策をたてるためのプロジェクトを手伝ってくださる方を探しています。ぜひお手伝いください!

 日本の浜にもさまざまな外来植物が繁殖していますが、ハマゴウがアメリカで駆除の対象になるようなやっかいものになっているとは意外でした。外来植物は持ち込まないことが一番ですが、人や物の行き来がこれほど激しいと、どうしても移動が起きます。問題が起きたときに、まず調査を行なう姿勢は見習いたいです。
posted by みやざきの自然 at 17:32| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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