2006年01月29日

銘木から森を思う

坂元守雄(2006年 01月 29日)


 綾の平成銘木店には、綾の森から伐りだされたさまざまな大木や古木が銘木として保管され、加工されている。そのほとんどは25年前ごろまでに伐りだされ、購入されたものという。綾の森から伐りだされた銘木はカヤとケヤキが多い。いずれも年輪は数えられないほど細やかで複雑である。店主の話では、樹齢を重ねると年輪は複雑になりわからなくなるという。倉庫に無造作に置かれた原木も、みごとに加工された製品も年輪は複雑な模様となり、数えられるようなものではない。一見して、樹齢200―300年ぐらいのものでないことだけはわかる。

 とくに目をひいたのは、260×110センチの複雑に連続したカヤの根の部分を板状にしたものであった。原木はほこりを被ったままであったが、輪切りにした連続部分の製品を見ると、木肌は全体的に薄い黄褐色に黒灰色の縞模様があり切断面は朱色が滲みでている。言葉ではよくいい表せないほどの木肌の色である。

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カヤの輪切りした原木

 今は銘木といわれる巨木、古木の切れ端を眺めたり、伐採当事の山の話を聞いたりしていると、25年前ごろまでは綾の森、いや全国の森にはこのような巨木、古木が林立していたことが現実味をもち、その姿が思い浮かぶ。そのような森が自然のままの森の姿であり、本当の森といえる森だと思われる。今は、そのような森はどこにもない。わずかな知識から残像を想い描くことしかできない。

 森の重要性が見直され、森づくりが奨励されている。わたしたちは、本当の森づくりは何百年もの時間をかけないと実現しないこと、それゆえ、失われた森の意味がいかに大きかったか、を知った上で森づくりをすすめることが大事だと思う。

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カヤの根の部分を輪切りしてつくられたテーブル
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2006年01月12日

ウミガメのスキップ

林裕美子(2006年 01月 12日)


 私は、「爆風スランプ」というグループのサンプラザ中野の歌が好きです。いろいろ面白いのがあるのですが、『無理だ!決定版(You cannot do that)』というのがあります。できそうにないことを羅列して、それもあれも無理だ!と歌っています。

 たとえば、ワニの腕立て伏せ、カメの腹筋運動、キリンの懸垂、マンボのルンバ、ヒヨコの手拍子、ダチョウの万歳、といった具合です。物知り顔の大人が、若者の夢をけなす姿を皮肉っている歌だと私は思っています。

 先日、久しぶりにその歌を聞きながら、昨年の夏に撮ったウミガメのあかちゃんの写真を思い出しました。

 ウミガメはスキップをするか?

 もちろん無理なのですが、孵化して砂から這い出て海へ向けて走る姿が、うれしそうにスキップをしているようだと思いました。

 そんなふうに見えませんか?

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posted by みやざきの自然 at 17:29| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月07日

イイギリとクマタカ

林裕美子(2006年 01月 07日)


 12月の半ばに、綾の川中キャンプ場周辺で沢の調査を行ないました。東京のオズクリエイティブという会社の尾澤征昭さんが取材にいらっしゃいました。調査を終えて駐車場入り口の少し手前の県道から対岸を見ると、真赤な実だけをたくさんつけたイイギリの木が、濃い緑の照葉樹林にひときわ美しい彩をそえていました。

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 そのときでした。頭上を黒い影が通り過ぎ、イイギリの方向へ滑空していきました。調査に参加していた古田栄子さんが、首にかけていた双眼鏡でクマタカだとすぐに確認してくださいました。尾澤さんはカメラマンなので、すすすっと走って行ってアングルを決め、イイギリを背景にしたクマタカの写真を撮ってくださいました。飛んでいる鳥を撮るのに適した倍率のレンズではなかったので小さくしか撮れなかったということでしたが、上のような素敵な写真を年末に送ってくださいました。中央のイイギリの右下にクマタカが写っています。下はその部分を拡大したものです。写真の右下のすみにクマタカがいます。

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綾の森に積雪

坂元守雄(2006年 01月 07日)


 12月21日の夜半、宮崎地方に雪が降り、22日、宮崎平野は一面白銀の世界になった。記録では、宮崎市での12月の降雪は1945年というから60年ぶりである。

 宮崎平野を取り囲む山地は当然雪に覆われた。宮崎市は積雪1センチと報道されたが、山地の積雪はどのような状態なのか、と思ったとたんから、体は慌しく綾の森へ向かっていた。

 普段は宮崎市から綾の森の入り口まで車で40分だが、当日は国道も県道も渋滞し1時間もかかった。スリップ事故が多発していることが原因であった。前夜は小雨の後に雪が降ったせいで、道は雪の下が凍りついて滑りやすくなっていた。

 綾の森の道に入るとスリップへの不安はいっそう増した。車両のわだちがないわけではないが、山道で他の車の姿を見かけないことは、走り慣れた道であっても、このような降雪の道では不安感が募る。チエンの準備をしてこなかったことを悔やんだ。

 平坦な道をスピードを極度に落として進み、登坂にさしかかったところで車を止めて、吊り橋近くの尾根が正面に見えるところまで歩いた。正面の斜面は真っ白で森の木々を埋め尽くしているようであった。その白さと空の青さ、近景の雪のない左右斜面の照葉樹との色のコントラストがすばらしい眺めであった。初めて目にする綾の森の雪景色であった。時おり、雪の斜面から雪煙が舞い上った。樹上に積もった雪が崩れ落ちるのか、小さななだれのような現象が見えて、その後、雪煙が青い空に舞い上がるのであった。足元の積雪は2センチ程度であるが、正面の斜面の積雪はどのくらいなのか、遠目には想定もできない。ただ、初めての綾の森の雪景色をしっかり目に焼きつけて森の雪道を下った。

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posted by みやざきの自然 at 16:31| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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